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[ ゆかた。 ]
グレイの浴衣かよ
渋いね
大人だね
ははん
ちょっと背伸びした?
いや
似合わないなんて
そんなこと言ってないじゃん
似合うってば
地味だって?
そんなこと言ってないじゃん
いいと思うよ
人と違うのって




怒ったの?

2007/08/08(Wed)


[ 君を抱く。 ]
君の部屋で君を抱く
僕の部屋で君を抱く
おんなじことをしてるのに
おんなじ吐息が聞こえない

君の部屋で君を抱く
君のベッドは狭いけど
枕は君のにおいがする
僕はすき
そっちのほうがずうっとすき

2007/07/23(Mon)


[ フイレプゥト。 ]
メタルスギャンダールの広場で俺は名物のグレゾンネスビールを飲んでいる。
なんてきれいな夕焼けだ。

夕焼けは隣町のボイスワデンゾールの給水塔を染めてガレギワドットの噴水に英雄ケレクソモンテニアンみたいな長い影を落とす。

あぁあの娘に会いたいな。フイザートゲッタリだったら俺のヌイーネな気持ちをセックリバッタしてくれるに違いない。

昨日から彼女の携帯にジュキオプリしているのに返事がない。彼女の父親が俺を許していないから、ジュキオプリしてもデモネクリスベルチなんだろうな。

せつない気持ちをデレグにしよう。俺はカスモデをかかえて唄いはじめた。ヌイテレな旋律が自然にうかんでくる。

デヌイコア!俺は天才だ。なんて素敵なデレグなことか。カスモデを置いて俺はモイクーレを吸う。。

よーし明日このデレグを知り合いのヴェンジトーナエに聴かせてみよう。きっと気に入って「このデレグはグーイジィレするよ」と言うに決まってる。

ベントワな気持ちも消えていった。いい気分だ。俺はキオーペの運転席に乗り込みデリューセを踏み込む。セベエティが小気味よい音をたてる。

生まれ変わった気分だ。俺は誓う。きっとフテレブッッッィをゲスモデルしてみせる。

ありがとう。
人生はなんてグヘルベンフッィなのだろう。

2007/07/21(Sat)


[ ディラン。 ]
ボブディランって、格好いいね。
へぇ、わかるんだ。
アタシだって感じるよ、なんかさ、電流みたいの。
だろ、特別だろ、ディランって。
なに唄ってんのとか、あんまり分かんないけど、
そんでも泣きたいとか、怒ってるとか、ビビってくるよ。
いいね、アンテナ立ってる証拠だよ。
いくつなの?
わかんない、けど結構、年。
渋いよね、
うん、渋い。
でさ。
なに?
別れたいの。


2005/07/26(Tue)


[ ロック。 ]
潜る。
ぷぁーっと息を吐いて、浮かぶ。
空の青さが、ぼわっと瞳にしみる。
漂白剤の匂いに、鼻を動かす。
河童になった気分。
エラそうに、タタタとプールサイドを歩く。
ファンタオレンジを買う。
もいちど空を見る。
夏だなぁ。
蝉の声があればなぁ。
まだ少し寒いと、隣のカップルが悲鳴をあげる。
「昨日の客さぁ、音楽だったらロックが好きなんだって。
で、ロックってどんなの?」
「水も氷も入れねえヤツ。じゃねぇの?」
イケメンのホスト風が、そう言う。
あぁ、ロックは死んだんだなぁ。
眠たくなって、瞳を閉じた。




2005/05/14(Sat)


[ 休日 ]
休日なのに彼女は電話にでない。
しょうがないからターンテーブルにジョン・クーガーを乗っけて、歯磨きする。
「ジャック&ダイアン」。
ディストーションがきいたギターが朝を告げる。
スピーカーが噴火口みたいにボコボコ膨らんで叫んでいる。
ゆうべ飲み過ぎたツケだ。後頭部にヘビがいる。
コーヒーを煎れてアルバム一枚聴き終わる頃には、いなくなってくれるだろう。

ターンテーブルの針がゆっくり戻ってゆき、3杯目のコーヒーが胃に収まった。
静寂。
突然、電話のベルが鳴る。
「なにやってんのよ。受話器取りなさいよ。
さっきから何度も電話してんのよ。」

2005/04/27(Wed)


[ 8月のキックベース ]
突然、黒い雲がたちこめ始めた。
校舎の向こうからゆっくりとやって来たかと思うと、
そちら側の空は墨絵のように、ほの暗い。
キックベースのキッカーボックスで、
ぼくは、
ピッチャーの浅野君の背中が黒くなる幻影におそわれる。
まぶしく白な運動着の背中に、空の墨汁がにじんでゆく。
毎秒5ミリ平方ほどのスピード。
痙攣したように小さく頭を振って、悪夢を振り払う。
そうしてぼくは、灰色の校舎とその向こうの空にむけて、
コロコロところがるボールを思い切り蹴り上げる。
「オーライ」
両手を掲げる浅野君の後ろから、雨がざぁっと落ちてきた。

2004/08/11(Wed)


[ 恋人。 ]
恋人がいるので、一緒にお出かけできません。
恋人と食べるので、チャイナタウンには行けません。
なにしろ彼は恋人で、なにしろ私も恋人で、
せめて決まりを持たないと、恋人同士と呼べません。
美味しいでしょうね、小篭包。
美味しいですよね、固焼きソバ。
山下公園好きなんです。
本牧あたりもいい季節。
だけどお出かけできません。
ですから、私、恋人なので。


2004/07/06(Tue)


[ そういうもの。 ]
損ですよ。
と、男は言う。
変ですよ。
と、俺は言う。
そういうものですよ。
と、重ねて男は言う。
そういうものですかね。
と、苛立った俺が言う。

世の中はいつのまにか、そういうもの、の集合体になったらしい。
水蒸気が集まると雲になる。
ぼんやりした価値観が形になって、そういうもの、が、また、できあがる。

あぁ、取るに足りないものたちに振り回されながら、
それでも、俺はいきてゆくのだ。

きっと、それが、
君と俺のためだと、言いきかせながら。


2004/06/27(Sun)


[ アリバイ。 ]
裏切られた気分がイヤなんだよ。
そういう気持ちになる自分が、
出来そこないのカボチャなんです。
すかすかで、明後日も食えたもんじゃない。

ともあれ、彼女に心を寄せるひとができた。
しょうがないぜ愛って、そんなもんだぜ愛って。
昨日の俺とのキスなんて、そのひとの前では、
そのひとの前では、恥ずかしい日記みたいなものなんだ。
中学校の寄せ書きみたいに、自分の愚かを知るためのクイズなんだ。

あたしだって本気だった、って顔で俺をみる。
アリバイがあるって顔で、俺をみる。
女優みたいに、キリッと奥歯、くいしばる。

あぁ、どうして。
俺の前ではいつまでも天使で、いればいいのに。
汚れないふり、すればいいのに。
泣き顔で、みればいいのに。
俺のせいだと、言えばいいのに。

アリバイが要るんだよ。
裏切られた気分がイヤなんだよ。
そういう気持ちになる自分が、
出来そこないのカボチャなんです。
すかすかで、明後日も食えたもんじゃない。

ともあれ、彼女に心を寄せるひとができた。
しょうがないぜ愛って、そんなもんだぜ愛って。
昨日の俺とのキスなんて、そのひとの前では、
そのひとの前では、恥ずかしい日記みたいなものなんだ。
中学校の寄せ書きみたいに、自分の愚かを知るためのクイズなんだ。

あたしだって本気だった、って顔で俺をみる。
アリバイがあるって顔で、俺をみる。
女優みたいに、キリッと奥歯、くいしばる。

あぁ、どうして。
俺の前ではいつまでも天使で、いればいいのに。
汚れないふり、すればいいのに。
泣き顔で、みればいいのに。
俺のせいだと、言えばいいのに。

アリバイが要るんだよ。
俺のほうが。
何倍も。
そうだろ。
そう、思う、んだけど?




2004/05/31(Mon)


[ ベルリン ]
あの壁がくずれる前年、僕たちはベルリンを訪れた。
地球の真ん中にすえられた防波堤の前で、みんなで記念撮影をしソーセージをほおばった。
とても、暑い日だった。

ブランデンブルク広場の望遠鏡にコインを入れて、壁のあちら側をのぞきこむ。殺風景な街角。東ベルリンの青年兵。赤い徽章が緑の軍服の上で誇らしげに輝いて、なおさら紅だった。
覚えているよ。とても暑い9月だった。

歴史はあっという間に、手のひらをかえす。あれから一年もしない間にあの壁は消えてしまったんだ。ほんとに、そうだった。

日本海をへだてた国も、いつかガラスみたいに粉々になって行くんだろう。
難民たちをむかえる日が、予告もなく訪れるのだろう。

僕たちはゆっくりと沈む夕陽を見てるみたいに、それを眺めているんだ。

だけど、夜はふいに来る。


2003/11/13(Thr)


[ クロエ ]
クロエが、自慢げに指先を見せる。

ね、すごいでしょ。
固くなってきたでしょ。
サウンドオブサイレンスのアルペジオも、ゆっくりだったら弾けるんだから。

「そいつは、頑張ったね」

一日じゅうギター弾いてると、頭がツーンとしてくる。
あれが、いいんだなぁ。
トリップ気分で、ストリートっぽくてさ。
なんかアーティストしちゃって、
自分を中心に地球が廻っていくんだよ。

「大げさじゃないかぁ」

へへ、ちょっとね。
でも、分かるでしょ。
あなただったら、分かるでしょ。

「うん、まぁ」

中途半端に僕はうなづく。
だって、先週の土曜日、
水着のままで海の家のピアノを弾く君は、
音楽室の少女のようで、
僕はそのあと、一番遠いブイまで、
泳いでしまったほどだったから。








2003/08/31(Sun)


[ 虫歯 ]
虫歯があるだろ、左側に。
そうそう、糸切り歯のとなりのやつ。
笑った時にちょっとだけ黒ずんで見えるから、
知ってるだけ。
そう、それだけさ。
そんな、そんな、そんなつもりじゃないってば。
責めてるわけじゃないってば。
ごめんよ、ごめんな。
そんなとこまで君を知ってるって、
それを、
伝えたかっただけなんだ。

2003/04/16(Wed)


[ 黄ばんだTシャツとアーモンドチョコレイト ]
黄ばんだTシャツとアーモンドチョコレイト。
夏は、どこまでも青い。

先日、お手紙ありがとう、
と、そらに書く。

本日、明け方の、お電話ありがとう、
と、煙草で言う。

きみはキレイなひとだ。

笑顔が泣き顔みたいな、優しいひとだ。

黄ばんだTシャツとアーモンドチョコレイト。
夏は、いつまでも青い。




2003/02/02(Sun)


[ 浩志 ]
きゅうに気分が悪くなって、浩志はかけこんだ。
やたら綺麗な公衆便所は、吐き出す気分に水をさす。

ちきしょう。
ち、ちきしょう。
潔癖性が、頭をもたげる。

ちきしょう。
ち、ちきしょう。
まだ、夕焼けは、4時半なのに。

2003/01/30(Thr)


[ はるみ ]
 「ほら、ね。ひどい火傷でしょ。」
 ケロイドのその場所に彼女が僕の右手を導く。3センチ四方ほど皮膚が固く盛り上がっている。人指し指で、そこをなぞる。
 「そんなにひどくないな」と思う。告げるべきかどうか迷ってしまう。なにしろ、彼女はなんだか自慢げなのだ。瞳がちょっと潤んでる。半ベソをかいたみたいな顔。僕は知ってる。こんな時、女の娘、みんな、とても、キレイ、だ。
 人気のない喫茶店。4時限目をサボった僕は、こともあろうに親友のガールフレンドのスカートに手を突っ込んで、左の太股を撫でている。彼のことで相談があるの、と言うから会いに来たのに、恋の悩みはあっけなく解決し、身の上話しを聞くハメになる。僕にはどこか隙があるらしい。ヒマつぶしにちょうどいい相手なのかもな。このごろ、女の娘たちの秘密を聞く役回りが増えている。
 「幼稚園の時、おばあちゃんちでね、薬缶のお湯、こぼしちゃったんだ。」セーラー服の裾を、彼女がスゥーッとめくりあげる。
 「見て、ね、ひどいでしょ。」
、ひきつった皮膚が見える。太股の内側に焦茶色の痕がある。まぶしく白い海に、ポッカリと土色が浮かんでいる。でも、やっぱり、「そんなにひどくないな」と思う。
 「ねぇ、キモチワルイでしょ。」
 「うん、まぁ。」
 「どうなのよ。」
 「なんだかさ。」
 「なあに。」
 「なんだか、これって島みたいだよな。」
 
 彼女の表情がふいに元に戻った。憑き物がおちたみたいに。僕の右手をテーブルに押し返し、レモンスカッシュの残りを飲み干して、「帰ろっか?」と言った。
 最終問題で僕はヘマをやらかしたらしい。正解は何だったんだろう。

2002/07/19(Fri)


[ ゼフィルス ]
 東京の渋谷の宮益坂というところにあるんだよ。志賀昆虫普及社っていう会社だよ。
 叔父さんはうんうん頷いたけれど、そこがどこか、ちゃんとは分かっていないみたいだった。お願いだよ、お願いだよ、僕は念を押す。川崎からはちょっと遠いなあ、ウン。次の日曜日に買いに行ってくる。受話器から、くぐもった優しい声がする。
 もう切りなさいよ、長距離なんだから。お母さんがうるさいんだ。約束だよ、きっとだよ、とお願いして受話器を置く。
 
 5メートル50センチの長さだよ!僕が頼んだ昆虫網。あのいまいましいブナ林のてっぺんまで、きっと届くよ!
 いつも、青木君と見上げてた。夕暮れにだけ飛ぶゼフィルス。金や銀にきらめいて、それはもう眩しい蝶なんだ。叔父さんが送ってくれる昆虫網で、きっときっと宝石たちを捕まえる。1センチ5ミリの輝きを。
 そうしたら幸せなんだ。秘密をあばいた気分なんだ。僕は小さく標本箱に書き込もう。昭和43年、夏、盛岡市高峰山にて、と。
2002/03/19(Tue)


[ ]
ミルク

初めから好きじゃなかったんでしょ、とミルクは言う。
そうじゃないってば、と、僕はかぶりを振る。
口元は、釣り針がひっかかった魚みたいに窮屈だ。
への字になった唇にハイライトをあてがう。
カッコよく火ぃ、つけられそうにないから、じっとくわえてる。

県営球場のライトスタンド。
いつも風が強いんだ。
ミルクの髪の毛に枯れた芝生が一本ぶら下がっている。
昨日だったら平気でつまんでいたけど、
遠いんだ、、、、とても。

草野球の歓声。
パタパタ波をたてる、黄ばんだ日の丸。
僕はだらしなく芝生に寝そべる。
最終回の攻撃をを待ちながら。

初めから好きじゃなかったんでしょ、とミルクが言う。
そうかもな、と僕は横を向く。
16歳になんて、ならなきゃよかった。



2002/02/27(Wed)


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てすと
2002/01/22(Tue)

My Diary Version 1.21
[ 管理者:ken-t 著作:じゃわ ]